私は千葉県八千代市の出身。高校を卒業後は、ワーキングホリデーでオーストラリアに留学したり、バックパッカーになって世界遺産を回ったり、日本のリゾート地でバイトをしたり、いろんな経験をしました。ある日、地方に住む友人にお土産を持っていこうと思い、横戸にある「房の駅」に立ち寄ったとき、「千葉県には魅力的な商品がいっぱいある」ということにびっくり。「自分は海外や他県のことは知っていても、千葉県のことを何も知らないな」ことに気づきました。ちょうど転職を考えていたところだったので、「ここで求人していないかな」と思ってホームページを見てみたら、社長メッセージのページに「自分が幸せにならなければ人を幸せにはできない。従業員に幸せになってほしい」と書かれてあって、「お客さまは神さまです」的な会社とは全然違うと思い、入社を決めました。
最初は「加曽利房の駅」に配属になり、半年後に「ふさのえき食堂」に異動。駅長のサブの立場で、料理の仕事を任されました。定期的に行われる社長との面談で「自分は海外に行っていたので、英語を使った仕事をしたい」ということを伝えたところ、「ニューヨークに飲食店を出す計画があるから手伝ってほしい。ただし、その前に料理の経験を積まないといけないね」と言われ、「ふさのえき食堂」はそのための修行の場でした。1年半後に「成田参道房の駅」の新店オープンに携わり、販売と飲食と店舗運営を勉強。その後、ニューヨーク出店に向けて現地に行き、催事への出展や市場調査を実施しました。ところが、コロナをはじめとする外部環境の変化により、出店を断念。帰国後は、本社勤務となり、バイヤーとして200社以上のメーカーの窓口を担当しつつ、商品開発の責任者として新しい商品づくりに励んでいます。
一般的なバイヤーの仕事は、売れ行きの良い商品を目利きして仕入れることですが、私はそれに加えて新商品を開発したり、価格改定があったら利益を取れるような状態を設定したりと、商品に関わる全般の仕事をしています。
私が仕事内容を説明するときは、「ポテトチップスは好きですか?」から入ります(笑)。たとえば新しいポテトチップスをつくろうとしたとき、原材料のじゃがいもをどこから仕入れて、どこで加工して、どんな袋に入れて、いくらで売るかを決めて、世の中に出していきます。それが商品開発の仕事の一連の流れです。開発して終わりではなく、年間を通して原材料を確保したり、売上データを管理したり、販促活動を行ったりと、商品のマーケティング全般を担当します。私はこれまでにさまざまな商品を開発しましたが、中でも話題沸騰だった商品は「マックスコーヒーシリーズ」です。千葉県発祥のマックスコーヒーをサブレやシフォンケーキなどの「食べるマックスコーヒー」にして販売。
私は、「値段が安いし量が入ってるから、これでいいや」という選ばれ方ではなく、「ちょっと高いけどすごく美味しいから、これがいい」と言ってもらえるよう、こだわりを持って商品開発をしています。それだけに、「房の駅」の各店の売り場を見に行ったとき、私が開発に携わった商品を手に取ったお客さまが、「この商品おもしろいね」「これおいしいんだよね」という声を聞くと、うれしいですね。
経営理念の「大切にする カタチにする 高める」が従業員全員に浸透している会社です。物を大切にしたり、人を大切にしたりすると、自分自身が周りから大切にされるし、それで幸運をつかむことができたりします。そんなことを学ばせてもらえる環境がここにはありますね。また、自分がやってみたいことがあれば、それを部門長や社長に伝える機会があることも当社の特長だと思います。私がニューヨークに視察に行けたこともそうですし、「言霊(ことだま)」ではないですが、口に出して言葉にすれば、叶うチャンスがある会社だと思います。
当社に入社した理由が、「千葉のことを知りたい」だったし、入社してからも「千葉っていいところなので、もっとみんなに知ってもらいたい」と感じているので、「千葉のお土産といえばこれだよね」と言われるような商品をつくりたいですね。そして、お客さまはもちろん、房の駅で販売を担当しているスタッフに喜んでいただけることが私の目標です。